2023年09月17日

2×4工法住宅の耐震的な余力①

前回のブログ記事で「2×4工法には余力がある」と言った事について考えます。

2×4工法住宅が数々の大震災にも耐えたと言う事実は良く知られていますが、
なぜ、強いのかを幾つかの視点から考察します。

 

同じ木造構法である在来工法との違いを次の2つの側面から見てみましょう。
(1)木の種類でなく、「木の量」の違い
(2)法律(建築基準法)で定められている違い

 

(1)木の量について
在来工法は基本的に壁を構成する面で910㎜間隔に柱(105㎜×105㎜)が立ちます。
窓が来る場所には柱は立たないので、次の910㎜(あるいは455㎜)まで柱を省略します。
ですから、大きな窓があったり窓数の多い住宅では、柱の本数も少なくなります。
(代わりに4寸柱(120㎜×120㎜)を角部に設置して対処します。)

910㎜間隔の真ん中に「間柱」と呼ぶ柱を立てますが、これは耐震には無効な柱で、
内外装の為の下地材です。


後から溝にスライドして差込むため、上部の梁を支えない

一方2×4工法の壁面には455㎜間隔で柱(38㎜×89㎜)が立ちます。

一本の柱の太さは在来工法の柱の1/3ですが、窓の左右に必ず柱を立てるので、
窓の数が多くなっても柱の数は減りません。

それどころか、柱を釘で連結して3本や4本合わせにして補強します。



 

上の写真の2×4工法の壁の幅は2m位ですが、数えると柱が12本立っています。
在来工法なら、同じ2mの壁の場合、窓の間と左右に柱が来て全部で3本になります。
写真の2×4住宅の柱1本が在来の柱1本の1/3の太さとみなすと、
12÷3=4本となり、在来工法より1本多くなる計算です。

2×6住宅の場合は、柱(38㎜×140㎜)1本が在来の柱1本の1/2の太さなので、
12÷2=6本となり、在来工法より3本多くなる計算です。
従って、より耐震余力の大きな建物と言えるでしょう。

2×6住宅とは、2×4住宅と同じ2×4工法ですが、外壁のみ幅が50㎜太い柱を使う建物です。

 

同じ間取りの住宅を2×4工法と在来工法で建て比べた場合、「」の使用量は
2×4工法の方が1.5倍多いと言われる所以です。

 

次回は、
(2)法律(建築基準法)で定められている違いについて考えてみます。☘️




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