2020年10月11日

木は空気にさらして長持ちするって本当かな?

木で作る建物はその構造が乾いていなければなりません。
湿った状態が続けは腐朽菌が繁殖し、木の組成が分解されて朽ちてしまうからです。

木造住宅も同じ様に木が乾いた状態を保てれば、法隆寺の如く1000年でも保てます。

日本の学校では歴史の授業で「高床式倉庫」と呼ぶ縄文時代の建物が紹介され、
 ↓この様な建物ですが


床下を解放して建物の木構造が空気に晒されていることが非常に大事だと、
日本人のDNAに刷り込まれていて、本能的に信じています。

ですから


お寺の床下もこの様に外気が自由に流れる仕組みになっています。

 

住宅も同様な仕組みで作られていて、基礎を束石で作る時代から
コンクリートで作る時代に代わっても、床下に外気を取り入れる仕組みは変わっていません。



しかし、ここに落とし穴があります。

床下だけに外気が流れるならまだ良かったのでしょうが、
在来軸組工法は、壁の中まで外気が進入してしまう構造であった為に長持ちしない
建物になっていました。

 

冬季でも地面に近い空気は湿度を含んでいます。
その空気が壁の中まで入り込み、夜間の外気温の低下により
外壁が冷やされ、壁の中で結露現象が起きる「壁内結露」が起こってしまうのです。



床下の空気は自由に壁の中に入ることが出来ます。

暖房をすると壁内の空気も温められるため、上昇気流が生じて
益々床下の空気が壁の中に吸い込まれて行きます。



壁の中の空気が完全に乾燥していれば良いのですが、地面付近の
湿度のある空気が壁の中に侵入している為、夜間に外気温が下降すると
外壁が冷やされて壁内で結露を起こします。

 

この現象は40年位前に北海道の住宅で顕著になり、「ナミダタケ事件」として
有名です。

この現象を解決する方法として開発された技法が「気流止め」と言われる
床下の空気を壁の中に入れない技術です。

北海道から始まったこの技術は国にフィードバックされ、現在ではフラット35の
「木造住宅工事仕様書」の中に記載されています。



しかし、本州では徹底されていないのが現状です。

罰則がないためだと思われますが、これを行えば家が暖かくなると同時に長持ちします。
良い事づくめな「気流止め」ですが、あなたはご存じでしたか?emoji51



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タグ :気流止め

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