2011年02月24日

断熱材がたりない2

こんにちは。 代表の伊豆川です。

前回はグラスウール断熱材について書きましたが、
 過去の記事 → http://sanki.eshizuoka.jp/e690217.html

今回は現場発泡ウレタン断熱材です。
まずは百聞は一見にしかず、下の写真を見てください。
断熱材がたりない2
2液を混合させてノズルから噴射し、壁や屋根の内側に吹き付ける断熱材です。
実演はYourTube で「現場発泡断熱」と検索すれば映像が出てきますので、
ご覧ください。

発泡倍率が80~100とかなりの速さで膨らみます。従って、膨らみ具合を制御
することはほとんど不可能です。


次の写真は吹き抜けの壁と天井に吹いた後の写真です。

断熱材がたりない2

写真をご覧いただくと、断熱材の表面がかなりデコボコしている
のが解ると思います。


この様な特性があるので、壁や天井の面に均一に、隙間なく断熱材を
吹き付けるには発泡断熱材を十分はみ出る位に吹き付けて、その飛び
出したところを全て切り取る作業が必要となります。

切り取った断熱材は全てゴミとなりますし、使う断熱材の量も1.5倍
程度が必要となります。 その為、通常は「壁や天井の厚みに対して
7割程度の吹き付け断熱工事を行い、所々はみ出た断熱材を切り取る」
という工事が一般的です。

これですと、100ミリの壁に対して70ミリの断熱材しか充填できず、
グラスウールなどの他の断熱材に対しての厚み性能比も同等か若干
低い性能である現場発泡断熱材を使う理由がなくなってきます。


利点としては、木材への付着が強いので、ずり落ちは起こり得ず、
外壁の多少の隙間も埋めてしまうので、防水・防湿性能は上がると
思います。
 オープンセルなので、気密も防湿性能もないことがわかりました。

断熱材がたりない2

欠点としては先ほど説明したようにはみ出した断熱材を切り取るため、
プラスチックゴミが出ること。 (写真は7割り吹きで出たゴミ) また、
歴史の浅い断熱材ですので、経年劣化が心配になります。

断熱材がたりない2
 -指に付いているのは粉になった断熱材-

この様に紫外線を長い時間浴びた時の性能劣化については答えが
出るのにまだしばらく時間が必要でしょう。 それまでは結果のでて
いるグラスウールがお客様に勧める最良の断熱材ではないでしょうか。

次回は今話題のセルロースファイバー断熱材を取り上げる予定です。
ではまた。


※ 上記の現場発泡断熱材の施工現場は私の自宅です。
 過去の記事 → http://sanki.eshizuoka.jp/e690217.html



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