2021年08月29日

ウッドショック後の住宅価格

緊急事態宣言の発出された静岡県は連日600人を超えるコロナ感染者数があり、
文字通り非常事態の有様です。

デルタ株の強い感染力が猛威を振るっていて、弊社でもテレワークを実施し、
事務所には最低限の人しか出社していません。

電話の対応はしておりますが、基本メールなどでの対応をお願いしております。

第5波と言われる今の感染者の急増ですが、ワクチン接種が進みいずれ沈静化する
と思いますが、コロナ自体の収束はまだ見通せません。

 

住宅業界はコロナの騒ぎと同時にウッドショックと言う木材の高騰に悩まされています。

原因はコロナ禍からいち早く経済が回復したアメリカと中国による住宅建設ラッシュと言われていますが、
コロナは日本の構造的な問題が顕在化したきっかけに過ぎず、高騰が収まっても日本の新築住宅価格はこれからも上昇し続けると思います。

その根拠は3つ。
(1)「安い日本」はこれ以上続かない
(2)2050年のカーボンニュートラル宣言
(3)1000万戸の空き家問題
以上ですが、一つづつ見て行きましょう。

(1)「安い日本」はこれ以上続かない
世界各国で売られているビックマック(ハンバーガー)の価格を比べて各国の購買力を比較すると、日本の価格はタイよりも安く、スイスの半額だそうです。

30年前の日経平均株価は3万円前後でした。現在は2万7千円であり30年間株価は同じ。アメリカは30年前ダウ平均株価3千ドル、現在は3万6千ドルと12倍になっています。

株価が物価や賃金の上昇を正確に表しているとは言えませんが、12倍と言わないまでもアメリカの物価や賃金は4~5倍位にはなっていると推測されます。

一方日本は、株価が変化していない様に住宅価格も変化していません。(性能が同じ場合)いかに中間マージンを圧縮し低価格で売る努力をして来たか分かると思います。

住宅の構造材の7割は外材(輸入材)と言われていますので、木材の価格の据え置きは限界に来ていたと推察します。

他国の需要増で日本は買い負けの状態に陥りました。
この先は価格増を受け入れるしか道はありません。

 

(2)2050年のカーボンニュートラル宣言
一昨年ドタキャンした住宅の省エネ義務化ですが、
菅総理の「カーボンニュートラル宣言」で、今度こそ省エネの義務化は必須になりました。

資源エネルギー庁のエネルギー白書2021から

年末には発表があると思いますが、2025年により高い基準(ZEH基準)の義務化が実施されます。

壁や天井・屋根の断熱強化、窓の断熱強化、性能表示の義務もあり住宅価格は上昇します。

 

(3)1000万戸の空き家問題
そもそも家は余っています。
これは、日本政府が野放図な新築住宅推進政策を取り続けてきた弊害です。
空き家(ストック)の有効活用を本気で始める時期が来たのです。

新築住宅に拠出している補助金や各優遇措置を、既存住宅の断熱改修に回さなけば、(2)のカーボンニュートラル宣言も達成不可能です。
なぜなら、既存住宅のCO2排出も減らさなければならないからです。

 

これからの住宅はオール電化、屋根置き太陽光発電、EV蓄電池のネットワーク化が必須の設備になると思います。

全てが10年以内(早ければ5~6年)で起こると考えています。
従って、コロナが収束した後には、以前の価格で新築住宅を建てることは難しく、
新築住宅を諦める方も多くなると考えられます。

弊社としては死活問題ですが、工務店の主力事業は既存住宅の断熱改修などの
リフォーム・リノベーションが中心となって行くと覚悟しなければなりません。☘️




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Posted by sanki at 11:12│Comments(0)つぶやき
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