2021年06月06日

面で捉える

テニスの話ではありません。
建物にも面で捉えた方が良いと思える部分が数多くあります。

線で捉える事が日本の軸組構造(在来工法)の基本でしたが、そこに面で捉える
2x4工法が入って来て、それ以来在来工法でも取り入れられて来た考え方です。


2x4工法のモノコック(6面体)構造


水平構面と呼ばれる構造部位があります。 床面や天井面、屋根面です。
元来、日本の軸組構造(在来工法)にはほとんどなかった考え方です。
「ほとんど」と言ったのは「火打ち梁」と呼ばれる構造材が「面」を意識していたかも
と思われるからです。(どちらかと言うとスジカイと同じ考え方かな?)


面を考えたとき、次の展開としては部材の結合で大きな面を作る事だと思います。
残念ながら、日本ではこの考え方も取り入れられていません。


これは野地板と言う、屋根の下地ですが今でもこの様な製材した板を横張に
列を揃えて張る方法が一般的です。(通称、イモ張りと呼びます。)

野地板は大きくても幅12cm位、長さ2m位でしょうか。
張り詰めていても、一枚一枚がそれほど大きくないので面としての一体感は
余りありません。あくまで下地材としての部材であり、面として強さがあるかは
疑問です。

次に、板材を合板にする事で一枚一枚が大きくなり、面として強さが出てきますが、
これはどうでしょうか?

一枚が大きくなり、強さは幾分野地板より期待できますが、張り方が問題です。
列を揃えたイモ張りになっていますね。

張り易さが優先していて、「面」としての考え方がないのでしょう。 残念!

2x4工法は以前から屋根の下地材(野地板)は合板を千鳥張りで施工するように
マニュアル化されていました。 ですからこの様になります。


どうですか、合板の半分をずらして、上下に半分ずつ重なる様(千鳥)に張るのです。

これは小さな工夫です。 しかし、面として考えた時、大変優れたアイデアですね。
弊社は外壁にもこの考え方を取り入れています。

弊社押しの外壁仕上げは「塗り壁」ですが、その塗り壁の漆喰の下に張られる下地材を
この千鳥張りにより施工しています。


千鳥に張られた下地材をメッシュシートで覆い、モルタルで壁全体を固めるとこうなります。


塗り壁は外壁材ですが、構造耐力の余力となることが期待できます。☘️




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