2019年07月07日

夏の部屋干しについて考える

2年前の記事「窓を開けて良いのはいつまで?」を読み返して見ると、今回のテーマ「夏の部屋干し」への答えが見えてきます。

高気密・高断熱(Q値1.9以下、C値0.9以下)の家ならば窓を全て閉めて室内の湿度をある程度コントロールしながら、夏の部屋干しも実現可能です。
しかし、その性能に届かない家の場合は窓を開けて部屋干しをする事をお勧めします。(外に向かってエアコンを掛けているのと同じなので。)

 

少し難し話になりますが、熱には顕熱と潜熱があります。
通常「熱」と言った場合は顕熱をイメージすると良いです。
一方、潜熱は「温度変化を伴わない熱量」となるのですが、例えば気化熱(水蒸気)などです。

夏の冷房でエアコンの室外機から大量の水が出てきますが、あれは室内の水蒸気が水に変化したものです。
室内の温度を下げる時に水蒸気が結露現象によって水に変わるので、それを排水しています。

エアコン冷房は室温を下げると同時に結露水を大量に作るため電力を消費してしまいます。
その為、気密性の悪い家では室内はなかなか冷えず、侵入してくる外の水蒸気を水に変えることに能力を使っているのです。

この様な状態で夏部屋干しをする事は、室内の水蒸気量が外気以上に上がってしまい、エアコンの能力を超えてしまうため乾かないという事になります。
出来ることは室内の冷房をあきらめて、窓を開け扇風機も使って空気を動かす事が良いでしょう。

 

一方、高気密・高断熱(Q値1.9以下、C値0.9以下)の家の場合は、
窓を開けずにエアコンを高めの設定温度で連続冷房運転をすることで室内の湿度をある程度コントロール出来ます。
この時期の湿度を60%以下にするのは大変ですが、60%台であれば常時部屋干しで行けるでしょう。



また、換気経路が部屋干しスペースを横切る位置になる様に配置するなどの工夫があれば尚よいと思います。

湿度を下げる方法はエアコン冷房しかありません。(除湿運転は冷房運転で冷えた空気を温めているだけです。)
外気には無尽蔵の水蒸気があり、窓を開けてしまえばアッという間に室内が湿ってしまいます。

夏、窓を開けずに湿度をコントロールしながら洗濯物を乾燥させるのは意外と難しいのです。
一方冬季は全く心配ありません。 窓を閉めての部屋干しが過乾燥の抑制にもなります。☘️



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